【発表のポイント】

  • 周期的に孔の空いたナノチューブ(周期孔ナノチューブpNT)を化学合成しました。
  • 6角形の「ベンゼン」を繋ぎ合わせる「カップリング反応」を3種類活用することで、効率的な合成方法を確立しました。
  • 長さ・太さが明確で一義的な筒状分子であり、工業的な化学合成も容易となると想定されることから、今後、材料科学分野などでの応用が期待されます。

【発表概要】

東京大学大学院理学系研究科の磯部寛之教授(JST ERATO磯部縮退π集積プロジェクト研究総括)の研究グループは、周期的に孔の空いたカーボンナノチューブ(周期孔ナノチューブpNT)の化学合成に成功しました。芳香族カップリング反応(注1)を、独自の工夫を凝らして活用することで、ベンゼンを40個、筒状に繋げることに成功したものです。今回の研究では、長さと太さが、ともにおおよそ2ナノメートルのナノチューブを誕生させました。長さや太さは、今後、自在に設計可能となると見込まれます。本研究グループは、周期孔ナノチューブpNTの筒のなかに、楕円球状分子C70フラーレンを複数取り込ませることにも成功しています。さらに、理論研究により、周期孔があることで、ナノチューブの電子的性質が大きく変わっていることを見いだしました。これまでのカーボンナノチューブは、長さや太さがふぞろいでしたが、周期孔ナノチューブpNTは長さ・太さといった分子構造が明確で一義的な「分子性物質(注2)」であることから、今後、炭素材料の応用研究に貢献するものと期待されます。

本研究成果は、国際学術雑誌「Science」に2019年1月11日に掲載されました。

詳細:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/01/press20190111-01-pnt.html