ポイント

農研機構はコーヒー粕を利用した新たな土壌消毒技術を開発しました。コーヒー粕と鉄塩1)から製造した殺菌用資材(ポリフェノール鉄錯体)2)を、土壌改良材として使用されている過酸化カルシウム3)と共に土壌に施用することにより、青枯病4)の発病が抑制されることを実験室レベルで確認しました。安全で環境負荷も少ない防除技術としての展開が期待できます。

概要

農研機構は、2012年、コーヒー粕と鉄塩で作った殺菌用資材(ポリフェノール鉄錯体)に過酸化水素(H2O2)5)を作用させるとフェントン反応6)によりヒドロキシルラジカル(・OH)7)が発生し、その強力な酸化力によって殺菌が可能であることを示しました。
今回、この反応を利用することにより、施設トマト栽培において深刻な被害をもたらす土壌伝染病の青枯病に対して強い発病抑制効果があることを実験室レベルで確認しました。土壌中で、効果的にフェントン反応を引き起こすためのH2O2の発生源としては、粉末の過酸化カルシウム(CaO2)が有効であることを明らかにしました。今回開発した土壌消毒法は、廃棄物であるコーヒー粕や土壌改良材として用いられるCaO2を利用するため、環境に優しい新たな土壌病害防除技術としての展開が期待されます。また、未解明であったコーヒー粕を利用したポリフェノール鉄錯体の・OH生成メカニズムについては、コーヒー粕中のコーヒー酸およびクロロゲン酸が、鉄を還元し、キレート化8)することにより生じていることを証明しました。

詳細:http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/120727.html#yogo7