研究の要旨

東京理科大学理工学部土木工学科・二瓶泰雄教授と片岡智哉助教の研究グループは,画像解析を用いた河川のごみ輸送量の計測技術を開発し,実河川(千葉県江戸川と大堀川)におけるごみ輸送量モニタリングを実施しました.その結果,本技術により,河川におけるサイズの大きなプラスチックごみ(以下,マクロプラスチックと称す)の輸送量を把握することに成功し,マクロプラスチックが出水時に集中して流れていることが分かりました.また,マクロプラスチックとマイクロプラスチックの同時観測を世界で初めて実現し,年間値ベースで,マクロプラスチックとマイクロプラスチックの輸送量は同程度であることが分かりました.これにより,流域圏全体におけるプラスチックごみ削減などの発生源対策が,地球規模に広がる海洋プラスチック問題の解決のために必要不可欠であることが示されました.本研究は,ダウ・ケミカル日本(株)からの受託研究として実施されました.また,日本学術振興会科研費・若手研究A(17H04937)の助成により行われました.

今後の展望

本研究により,河川におけるマクロプラスチック輸送量の計測が可能となり,年間輸送量としては,マイクロプラスチックとマクロプラスチックが同オーダーで輸送されていることを世界で初めて明らかにしました.これにより,海洋のプラごみ問題の解決策として,プラスチックの使用量そのものを減らすことはもちろん,既に自然界に放出されたプラスチックごみの回収技術の開発などプラスチックごみ削減対策の実施が喫緊の課題であることが示されました. なお,本研究成果がJambeckら(2015)の結果と相違がある点に関しては,より多く河川のマクロプラスチック輸送量のデータを集めると共に,プラスチックのマテリアルフローを詳細に検討する必要があります.特に,国別の差異がある可能性が高いため,海外のプラスチックごみ輸送量調査を今後実施する予定です.

詳細: https://www.tus.ac.jp/today/2018122101.pdf