筑波大学 計算科学研究センター ギヨーム・スカムス研究員は、オーストラリア国立大学との共同研究により、原子力エネルギーの源である核分裂反応の数値理論的解析を用いて、核分裂現象をめぐる謎の一つ、分裂片として生成される核種にキセノン周辺の元素が大量に含まれているのはなぜかを解明しました。

今回、時間依存密度汎関数理論と超伝導の理論であるBCS理論を 組み合わせ、スーパーコンピュータ(スパコン)を用いた数値計算を実施し、この困難な課題に挑戦しました。その結果、分裂片として生成される核種に多く含まれているキセノンなど、原子番号52から56あたりの原子核を産み出す際に、洋ナシ型に変形した原子核が出現する新たな機構を提唱しました。1つの原子核が2つに分裂する際、分裂の相手側に引っ張られて洋ナシのような形が自然に作り出されます。この時にエネルギー的に得をするのが、キセノンやバリウムなどの原子核であり、そのためこれらの核種が分裂片として生成されるのです。このことを数値計算で示し、また分裂片の持つ運動エネルギーなど、他の観測量についても実験データと良く一致することを示しました。

詳細:http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201812200300.html