《研究成果のポイント》

◆ セルロースが高熱伝導性を有することを発見。
◆ これまで紙は断熱材として認識されていたが、セルロースナノファイバーを高密度のシート材料へと成形することで高い熱伝導性が発揮することを見出した。
◆ 電子機器用の熱拡散シートや人体・環境に優しい熱感応部材として活用に期待される。

【概要】

 大阪大学産業科学研究所の上谷幸治郎助教らの研究グループは、天然のバイオマス資源から抽出したセルロースナノファイバーを用いて、高い熱伝導性を示す紙材料「ナノペーパー」を2015年に世界で初めて開発しました。特に、ホヤの殻から抽出したナノファイバーで作ったナノペーパーが、プラスチックより約10倍高い熱伝導性を示します。(2015年7月2日「Biomacromolecules」掲載)
 本シーズ材料により、高密度実装による熱問題が課題となっている電子デバイスにおいて、高効率の排熱を可能にする基材の開発が期待されています。

【本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)】

 本研究成果により、従来断熱材としてのみ認知されていたセルロースを初めて「伝熱材料」として活用できることが見込まれます。すなわち、セルロースは断熱材から伝熱材まで幅広い「熱用途」に対して包括的に使えるようになります。一例として、フレキシブル電子デバイスの効率的な排熱が可能な熱拡散シートや、人体に触れる衣服・寝具・医療器具類の熱感応部材(冷たさや暖かさをすばやく感じさせる部材)としての活用が期待できます。

詳細:https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/toppage/hot_topics/topics_20181219-2/