発表のポイント

  • 4つの波長帯(4色)で同時に天体の明るさの変化を観測できる多色同時撮像カメラMuSCAT2が完成した
  • 試験観測の結果、世界最高レベルの測光精度を4色で同時に達成した
  • 2018年4月に打ち上げられたNASAのトランジット惑星探索衛星TESSと連携することで、太陽系近傍の赤色矮星を公転する第二の地球たちの発見が期待できる

発表内容

太陽以外の恒星を公転する太陽系外惑星の発見・確認に特化したカメラ「マスカット2(MuSCAT2)」が開発され、スペインのテネリフェ島の天文台で運用されることになりました。今後、このカメラによって科学的に面白い惑星たちが数多く発見確認されることが期待されます。

これまでに4000個を超える太陽系外惑星が発見されてきました。その多くは、恒星の手前を惑星が通過したときに恒星がわずかに暗く見える現象を、専用の宇宙望遠鏡で捉えたものです。ただし、他のメカニズムで恒星がわずかに暗くなることもあります。本物の惑星と確定するには、地上望遠鏡による継続的な発見確認観測が必須です。

自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター、東京大学、科学技術振興機構、国立天文台、カナリア天体物理研究所などの研究チームは、可視光線から近赤外線にかけての4色で同時に天体の明るさの変化を観測することができるカメラを開発し、世界有数の天文観測最適地として知られるスペインのテネリフェ島のテイデ観測所にある口径1.52mのカルロス・サンチェス望遠鏡に設置しました。このカメラは、国立天文台岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡用に開発された同種のカメラの改良版です。岡山とテネリフェ島は時差が9時間あります。このように時差がある場所に観測装置を設置することで、お互いが観測できない時間帯に起こる現象を相補的に観測したり、長時間にわたって続く現象を継続的に観測したりすることが可能になります。

現在、研究チームは、アメリカの望遠鏡に取り付ける3台目のカメラを開発しています。3台を運用することで、切れ目のない発見確認観測が実現する日も遠くありません。

詳細:http://abc-nins.jp/press/20181217/20181217_Narita.html