本研究のポイント

  • 透析患者へ活性型ビタミンDを投与しても心血管リスクは低下しないと判明
  • 全国108施設の976名を対象に、4年間にわたって予後を追跡
  • 国際的認知度が高く、世界五大医学雑誌の一つでもある「JAMA」(IF=47.7)へ掲載

概要

 大阪市立大学大学院医学研究科 血管病態制御学の庄司哲雄研究教授、代謝内分泌病態内科学 の稲葉雅章教授らの研究グループは、血液透析治療を受けている慢性腎臓病患者に活性型ビタミンDを投与しても、心血管疾患のリスクは低下しない(心血管疾患発症率:投与群=21.1%、非投与群=17.9%)ことを明らかにしました。これまでは、透析患者では活性型ビタミンD欠乏が原因となり、骨ミネラル代謝異常を生じ、心血管疾患に悪影響を与え得るため、活性型ビタミンDを投与することで、心血管疾患が減らすことができると考えられていました。庄司研究教授らの研究グループはその定説を検証するため、全国108施設の976名の透析患者(20~80代の男女)を活性化ビタミンDを投与するグループ、非投与の2群にランダムで割り当て、その後4年間追跡を行いました。その結果、予想とは反し、活性型ビタミンDを投与した透析患者の心血管リスクは低下しない(むしろ上昇傾向)ことが明らかになりました。4年間の追跡率は97.9%と非常に高く、信頼性の高いデータといえます。本研究成果は米国医師会雑誌『JAMA』に2018年12月12日(水)午前1時(日本時間)にオンライン掲載されました。
※なお、本研究では副甲状腺ホルモン(PTH)が高くない患者を対象としており、活性型ビタミンDが標準治療とされる二次性副甲状腺機能亢進症を有する症例は対象外としています。

■掲載誌情報
発表雑誌:JAMA(IF=47.7)

詳細:https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2018/181212