慶應義塾大学のプレスリリースによると、慶應義塾大学理工学部生命情報学科の岡浩太郎教授らと山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部の山中龍助教の共同研究グループは、細胞内マグネシウムイオン濃度の変動が神経細胞ネットワークの成熟を促進する新規の情報伝達物質であることを解明しました。本研究グループは先行研究にて開発した細胞内マグネシウムイオンの蛍光プローブを用いて海馬神経細胞におけるマグネシウムイオンのダイナミクスの解析を行いました。その結果、神経伝達物質の一種であるGABAはミトコンドリアから細胞質中へのマグネシウムイオン放出を誘導することを初めて発見しました。さらに放出されたマグネシウムイオンは複数の細胞内シグナル分子の活性を同時に制御することによって、神経ネットワークの成熟を促進していることを解明しました。これまで、細胞内マグネシウムイオン濃度は一定に保たれており、細胞のダイナミックな変化には関係しないと考えられてきました。しかし、本研究の成果で細胞内マグネシウムイオンは細胞外からの情報を統合し、複数の下流分子を調節する新規の情報伝達物質であることを示しました。マグネシウムイオンの新規の情報伝達物質としての役割は生物学・医学の基礎的な知見となり、今後、医薬品の開発へ貢献する事が期待されます。

詳細:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2018/12/7/28-50067/