科学技術振興機構(JST)によると、福井大学 子どものこころの発達研究センターの友田 明美 教授とジョン ミンヨン 特命教授らは、米国の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版に基づいて診断された7~15歳のADHDの児童39人と、年齢、IQ(知能指数)がマッチした定型発達児34人(いずれも男児)を対象にMRIで脳を撮像し、全148の脳領域ごとに脳皮質の厚みと面積のデータを取って、「サポート・ベクター・マシン」という機械学習の技法で解析しました。

その結果、148領域のうち眼窩前頭皮質外側など16領域の皮質の厚み、11領域の皮質の面積にADHDの特徴が現れることが判明しました。各領域の厚み、面積の値の個々にADHDかどうかの境界値が明確にあるわけではないものの、この成果により16領域、11領域の値の全体像から74~79%の精度で識別できることを確認しました。

さらに、本成果とADHD発症に関連があることが分かっているCOMT遺伝子の多型について検討したところ、眼窩前頭皮質外側など2領域で多型のうち、あるタイプではこの領域の皮質の厚み、面積と、ADHDの症状の1つである「作業記憶の苦手さ」とに有意な関係があることが分かりました。

これらの成果が国際的にも応用できる可能性を検討するため、国際大規模データベースからADHD児83人と、年齢、IQがマッチした定型発達児115人の脳画像データを参照し、同じ解析を実施したところ、73%の精度で両者が識別されることが確認できました。この結果から、将来、国際的な診断指標として応用できる可能性が示唆されました。

詳細:https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181203-3/index.html